紫外線を過度に怖がる必要はないですが、適切にケアすることで、紫外線の強い時期に負けない、しなやかな肌をつくることができます。
この記事では、「紫外線対策をして美白を目指したい。」と思っている方や「UVケアは1年間ずっと必要?」などとケアの方法で迷っている方へ向けて、紫外線対策における日焼け止めの選び方と使い方の注意点をお伝えします。
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セラピスト 河野美花 |
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ヘアメイク、五つ星ホテルのスパでセラピストなど、これまで述べ一万人の肌に触れる。世田谷三軒茶屋エリアでサロンを主宰。現場でセラピストを続けながら、美容スクールで講師、美容ジャーナリストとしても活動中。 |
目次
夏に気にされやすい紫外線ですが、春も真夏と同じくらい紫外線の多い時期です。暖かくなってきたことが嬉しくて、お花見やピクニックなどついつい油断して紫外線を大量に浴びてしまう時期でもあります。
また、冬は日差しが弱くなり紫外線の量も減りますが、油断は禁物です。冬でも日焼けをしますし、ウィンタースポーツに出向く際は雪焼けに要注意です。
このように、年中日焼けのリスクをもたらす紫外線ですが、実は3種類あります。その中でも、日焼けと関係するのは2種類です。そこで日焼けと関係するUVA・UVBの2つの特徴をご紹介します。
UVAは真皮まで影響する紫外線です。1年中降り注いでいますが、特に4~8月に量多いです。浴びてすぐに肌に変化が起きる訳ではないのですが、じわじわと肌の土台となる、コラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。
UVBは表皮まで影響する紫外線です。冬場は少なく、4~8月がピークになります。刺激が強く、肌の炎症を引き起こしやすいので、海外や海に行った際に火傷のようになったり水ぶくれができたりすることもあります。
日焼け止めの効果の指標として用いられるPA(Protection Grade of UVA)やSPF(Sun Protection Factor)ですが、PAがUVAを、SPFがUVBを防止する効果があります。
肌の黒くなる日焼けをする原因のUVAの防止効果を示します。
表:PAの目安
数値 | 特徴 |
PA+ | 防御効果がある |
PA++ | 防御効果がかなりある |
PA+++ | 防御効果が非常に高い |
PA++++ | 防御効果が極めて高い |
肌の赤くなる日焼けをする原因UVBの防止効果を示します。
表:SPFの目安
数値 | 効果的な場面 |
SPF15~20 | 通勤、買い物、洗濯などの短時間の外出 |
SPF20~30 | 外出時に効果的 |
SPF30~50+ | 紫外線の強い日、長時間の外出、海や山のアウトドアの時 |
日焼け止めは汗や、摩擦などで落ちることがあるため、こまめな塗り直しも必要です。噴射式の日焼け止めスプレーやパウダータイプのものもあるので状況に合わせて活用しましょう。
日焼け止めを適切にぬることで、紫外線のダメージを防ぐことができますが、日焼け止めのデメリットも知って、上手に使いこなすことが必要になります。
日本人は「肌が白い=美しい」のイメージが強く、紫外線は悪者だという思い込みを持っている方もいます。
もちろん適切に使う分には問題ありませんし、メリットもありますが、過度に使うことはアレルギーの原因になるという研究データも出ています。
日焼け止めの成分には次の2つがあります。それぞれの特徴を知ることで、日焼け止めの選び方や活用時の注意点が見えてきます。
1.紫外線吸収剤:肌への負担が大きい 。
2.紫外線散乱剤:肌への負担が少ない。
紫外線吸収剤は紫外線を吸収して、化学処理することで肌に紫外線のダメージを与えないようにする仕組みです。しかし、1度化学処理された成分に日焼け止め効果はなくなるので、何度も塗りなおしが必要です。
おまけに肌にも負担が大きく、配合量が制限されています。1種類の日焼け止めを使用するのなら問題ないのですが、メイク用品を重ねると結果たくさんの紫外線吸収剤を使用しているケースもあります。
結果、紫外線からは守れても肌のバリア機能が弱り、肌が老けてしまったり、肌荒れの原因になったりと肌のトラブルにつながることもあるので、用法用量には注意が必要です。
紫外線散乱剤は紫外線の光を反射して、紫外線を防ぐものです。肌への負担も少なく、UVAもUVBも防ぐので良いのですが、白く浮きやすいというデメリットがあります。
種類 | 特徴 | 注意点 |
紫外線吸収剤 | 紫外線を吸収して、化学処理することで肌に紫外線のダメージを与えないようにする。 |
何度も塗りなおしが必要。 肌のトラブルを引き起こさないように、用法用量には注意が必要 |
紫外線散乱剤 | 紫外線の光を反射して、紫外線を防ぐ。UVAもUVBも防ぐ。 | 白く浮きやすい。 |
日焼け止めの成分表を見る際は配合が多い順から記載されています。そのため、吸収剤よりも散乱剤が先に書いているものを選びましょう。
今は化粧下地やファンデーションにもUVカット仕様で成分が含まれています。それに日焼け止めを塗ることで、肌への負担になる可能性があります。
UVケアというと日焼け止めを1番に想像すると思いますが、肌に塗る以外のケアも行って行くことが大切です。
皆さんが忘れがちなのが目のケアです。瞳孔が開いていると、目から紫外線を吸収して日焼けしてしまう。焼けやすい人ほど、瞳孔が開いている場合が多いので、目の紫外線対策が重要になります。
パソコンを長時間使う方や猫背の方、便秘気味の方は、交感神経が活発なので、目の瞳孔がいている可能性があります。あてはまる方は、サングラスを忘れないように身に付けましょう。
ビタミンCやB群のサプリメントを摂って、春から夏にかけては紫外線対策をするのもおすすめです。飲む日焼け止めもここ数年流行っています。
またこちらの記事では、管理栄養士さんがリコピンを摂取して、紫外線を予防する方法も紹介されています。サプリメントではなく、食事を通じて紫外線予防をしたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
肌に負担をかけず、紫外線対策するのには、とても有効です。物理的に覆ってしまったほうが、焼けなかったりします。色は黒ではなく、白い色を選ぶと良いでしょう。
ここまで日焼け止めの選び方やUVケアのやり方をお伝えしてきましたが、どうしても日焼けをしてしまうこともあると思います。そこで最後に、日焼けをしてしまった場合のスキンケアの方法にも触れておきたいと思います。
日焼けした後の赤みやヒリヒリした肌は火傷状態なので化粧水はNGです!日焼けのあとは、敏感肌の状態なのです。万が一化粧水を使う場合は、刺激の少ない敏感肌用と明記されているものを使いましょう。
敏感肌の原因や特徴についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。さらに知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
また、敏感肌のときは、肌のバリア機能が低下しているため、敏感肌になっているときほど、お手入れを最低限にとどめることが大切です。
冷たい水で冷やし、後のケアはせずに肌を休ませましょう。いつもより紫外線を多く浴びたけれどほてりや赤みが出ていない場合は、しっかりと保湿し美白成分が多く含まれているパックでスキンケアを行うのも良いでしょう。
思いがけず日焼けをしてしまった場合の日焼け直後の対処法はこちらの記事もご参照ください。
ここまで紫外線予防のための日焼け止めの選び方やUVケアの方法をご紹介してきましたが、日焼けを気にしすぎて、外に出られなくなってしまったら、どれだけ美しい肌を持っていてももったいない気がしてしまいます。
美肌の維持や美肌作りのために、紫外線対策のポイントはおさえつつ、春や夏でも外出を楽しめたらいいですね。