「お肌が乾燥する。」「シミやシワが気になる。」「たるみが気になる。」など、お肌のお悩みは尽きませんよね。
そういった悩みを解決するために、お肌の構造を知ることは、正しいスキンケアで肌を綺麗にするための第一歩です。
そこでこの記事では、肌の構造をわかりやすく説明して行きます。
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美容皮膚科「ゆかスキンクリニック」院長。 青木由佳 |
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医師。2004年神戸大学医学部卒業。日本皮膚科学会、日本美容外科学会に所属。大手美容クリニックで経験を積みクリニックを開院した美肌のスペシャリスト。 |
皮膚は表皮と真皮に分かれており、厚さは1.5mm〜4mm程度と言われています。
目の周りは薄く、背中は厚いといったように身体の部位によって厚さが異なります。皮膚は全身で表面積が1.6㎡ほどあり、最大の臓器とも言われます。
皮膚は体の水分量や体温を調整し、外部刺激から体を守るとても大事な組織です。次の2を主な役割として果たしています。
表皮は一番深い層から順に次の4層に分かれています。
基底層の細胞が成長して上に上がっていきながら、押しつぶされた平べったい細胞になり、最終的に細胞の核が抜けて角質と呼ばれる死んだ細胞になります。
これを角質細胞と呼び、角質細胞は垢になって剥がれていきます。
お肌の新陳代謝が悪くなると、ターンオーバーにかかる期間が延長し、古い角質が溜まってしまうので、くすみが出たり、お肌がゴワゴワしてしまいます。
逆にターンオーバーが早すぎるとお肌の機能が未熟で、バリア機能が弱く乾燥などのトラブルが起きやすくなってしまいます。
市販の化粧品には角質を取る化粧水やピーリングがたくさん売られていますが、適度な角質はお肌に必要なものになります。取りすぎには注意してください。
また、スキンケアの際のクレンジングが正しいやり方で出来ず、メイクや汚れが残ったままになるとターンオーバーの乱れを引き起こします。
クレンジングがしっかりできているか不安な方は、こちらの記事を参考にしてください。
表皮の基底層にはメラノサイトというメラニンを作る細胞があります。
メラノサイトは外部刺激(紫外線や摩擦など)や内部刺激(ホルモンバランスやストレス)でメラニンという茶色い色を出す特性があります。
このメラニンが作られすぎて過剰になったり、ターンオーバーがうまくいかずメラニンが蓄積してしまうのがシミや色素沈着と呼ばれるものです。
また、肌の炎症による色素沈着の原因と治し方を知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
お肌は、皮膚の水分が蒸発しないように守る働きがあります。お肌が擦れるとこのバリア機能が壊れてしまい、乾燥してしまったり、摩擦刺激の影響で炎症が起きてしまったりします。
そのため、スキンケアで1番大切なのは肌を触りすぎないことです。
擦れるという刺激は、肌にとって大きなダメージになるので、スキンケアの際は摩擦が起きないように注意して、優しく包み込むように触ってあげるのが大切です。
特にニキビは触りたくなりますが、炎症が起きてよりデリケートになっているので触ることで炎症が悪化したり赤いニキビ跡が残ったりする原因となります。
この記事をご覧の方の中に、ニキビや吹き出物ができて悩んでいる方はいらっしゃれば、その方へ向けて、ニキビや吹き出物の原因と対策もまとめています。こちらも合わせてご覧ください。
表皮の下は真皮層と呼ばれます。真皮層は表皮の15〜40倍の厚さで、皮膚の大部分を占めています。
皮膚を支えるコラーゲン・弾力にとんだエラスチン・水分を保持するヒアルロン酸のほか、血管、リンパ管、神経がはりめぐらされている組織です。
真皮は皮膚の形を支え、お肌のみずみずしさ(ハリ・弾力)の源です。また血管やリンパ管・神経が体のホメオスタシス(水分や体温の保持)などを行っています。
真皮の大部分はコラーゲンでできています。コラーゲンは丈夫な繊維成分で、皮膚の形を支える役割があり、コラーゲンが低下することでシワやたるみが起こります。
紫外線や加齢・ストレスや不規則な生活習慣などの酸化ストレスは活性酸素を作り出し、コラーゲンを破壊してしまいます。
加齢は防ぐことはできませんが、紫外線は日焼け止めや日傘や帽子など、自分で手軽に対策ができます。日頃から紫外線対策を行いましょう。
また生活習慣を見直して、適度な運動や、良質な食生活をこころがけましょう。特に、抗酸化作用の強い、ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなどの摂取を心がけましょう。
また、コラーゲンを新しく合成するには原料であるタンパク質のほか、ビタミンCと鉄が必要です。積極的に食事やサプリメントで摂取しましょう。
また、食事でコラーゲンを補いたい!とお考えの方にはこちらの記事が役立つと思います。合わせてご覧ください。
肌の構造を勉強すると、なぜ紫外線が肌に悪いのか、なせ刺激でシミができるのか、などがわかり、正しいスキンケアの方法が理解できますよね。
肌を綺麗に保つためには、内と外からのケアが大切です。「美」とは健康に繋がるものであり、最高の自己管理です。