クレンジングの際に非常に重要となってくるのが乳化のステップだということ、ご存知でしたか?
綺麗に汚れを落としきるために大切な乳化の意味や原理、実践法まで、今回もlentementおなじみ化粧品メーカーのP.S.INTERNATIONAL(ピー・エス・インターナショナル)の目黒さんに話を詳しく伺ってきました!
正しく理解を深め、今日もスキンケア偏差値をアップさせましょう!
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アンチポリューションコスメAPOCOS目黒麻里 |
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大学卒業後化粧品メーカーに6年間勤務。美容部員としてエステやメイクを行うだけでなく美容学生や美容師に向けて行う毛髪や皮膚知識のフレッシュマン研修にも携わる。現在はP.S.InternationalにてアンチポリューションコスメAPOCOSのブランドマネージャー、美容インストラクターを務める。 |
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lentement編集部 智子(ともこさん/42歳/敏感肌) |
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lentementの原稿執筆と校正を担当。アトピー体質で、化粧品がしみたり肌が赤くなることがあるので、特にスキンケア選びには時間をかける。成分チェックは必須で、かなり詳しい。ドクターズコスメやオーガニック系かつシンプルな商品を愛用中。ストレスや疲れがダイレクトに肌に出るため、規則正しい生活を心がけている。「敏感肌の方が安心して使えるアイテムを探し当てます。」 |
目次
洗浄力 | 敏感肌 | 乾燥肌 | 普通肌 | 脂性肌 |
インナードライ(混合)肌 |
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オイル | 5 | × | × | 〇 | ◎ | △ |
バーム | 4 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ |
ジェル | 4 | × | × | 〇 | 〇 | △ |
クリーム | 3 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 〇 |
ミルク | 3 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
*1〜5段階で1に近いほど洗浄力は弱く、5に近いほど強い
>>>こちらもチェック!:クレンジングの種類、実際何が違うの?実は大きく異なる特徴をそれぞれ詳しく解説!
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-以下目黒さん-
私たちが日頃するメイクや、スキンケアにおけるクリームなどの主成分は油です。食器についた油汚れが水ですすぐだけでは落ちないのと同様、メイクも水だけで落とすことはできません。
-以下目黒さん-
その後、メイク汚れが含まれた油性のクレンジング料に少量の水を加えること(乳化)により、水ですすぐ事ができる状態になります。
そこまでして初めて、肌から汚れを完全に取り去ることができ、正しいクレンジングが行えたと言えるのです。逆に言うと、乳化をしないとメイクを落としきれないということです。
ただし、ミルクは不要な場合もあります。
-以下目黒さん-
先述の通り、乳化は油を水で流せる形に変える工程なので、油分が多いものは乳化が必須になります。オイルやバームなどですね。
また界面活性剤が含まれるジェルも乳化の対象です。
ミルクは、指の滑りが悪いと感じた場合や柔らかすぎるテクスチャの場合は乳化しましょう。
-以下目黒さん-
読者の方の中には、クレンジングオイルを使用した時に、いくらすすいでも落ちないと感じた経験がある方も多いのではないでしょうか?
実はその原因は乳化不足だったのです。正しく乳化させた場合は、クレンジングオイルもバームもするする落ちますよ。
もし乳化が足りず、クレンジングオイルやバームが残った状況が続くと、過剰な油脂が肌の上に留まり続けることになるため、毛穴のつまりやニキビの原因になってしまうこともあります。
①乾いた手で、顔全体にクレンジングをつける
②メイクにくるくるとなじませる
③手にぬるま湯を2、3滴ほど取り、Tゾーンからなじませていく
④サラサラとした触り心地になって、全体が白く濁ったら流す
⑤清潔なタオルで優しく拭き取る
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
メーカー規定の量を守って手のひらにクレンジング料をとり、優しく顔に貼り付けるイメージでなじませます。
その際は、まずTゾーンから乗せてください。皮脂の多い部分に優先的にクレンジング料を使うことで、不要な皮脂までスッキリと洗い落とすことができます。
必ず乾いた手で乾いた顔につけてあげましょう。濡れた状態では、その水分とクレンジングが先に乳化してしまい、クレンジング力が格段に低下してしまいます。
クレンジングをつけたら、メイクにくるくるとなじませていきます。力加減に注意して、必要以上に摩擦を与えないようにしましょう。イメージとしてはハムスターを撫でるような優しいタッチです。
人は無意識に平らで広い部分を優先して触る傾向があるため、頬中心にクレンジング料をなじませてしまう方が多いです。小鼻周りや生え際、目の周りなどを忘れず、意識してなじませるよう心がけましょう。
しっかり顔全体にクレンジングをなじませたら、いよいよ本題の乳化作業です。まずは手のひらに2〜3滴ほどぬるま湯を取り、手のひらで広げます。
その後、くるくると円を描くようなイメージで優しく顔全体になじませていきます。
水分を「少量ずつ」なじませるのがポイント。手のひらにたまるくらいのたっぷりした量で行うと、乳化を超えてすすぎのステップとなってしまいます。
乳化完了の合図は2つ。クレンジング料の色が白く濁ることとクレンジングの手触りがサラサラとしたものに変わることです。
どちらかが確認できたら、顔の部位を額・頬・鼻・あごと大きく4つに分け、各部分で4〜5回、トータルで20回ほどどしっかりとすすぎましょう。
35〜38度ほどのぬるま湯を使用しましょう。温度が高すぎると必要以上に肌の皮脂を奪い、反対に低すぎるとクレンジングや汚れをきちんと落としきることができません。
また、シャワーを直接顔に当ててすすぐのは絶対にNG。顔の皮膚は非常に繊細で、シャワー程度の刺激でも大きな負担になり、将来のシミやシワ、たるみなどに繋がる可能性があります。
ここまできたら、最後のステップ、拭き取りになります。この際必ず清潔なタオルを使用しましょう。フェイスとボディのタオルは分けるのがベター。肌トラブルが多い方の場合、ペーパータオルの使用もおすすめです。
ゴシゴシと拭かずに、肌の上にある水滴を吸い取るイメージで、優しく押し当てるようにしましょう。
拭き取れたら通常のスキンケアに進んでください!
>>>こちらもチェック!:【クレンジングの使い方完全版】1割しか知らない正しい使い方&洗顔との違いも
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乳化の意味や正しいやり方についての理解は深まったでしょうか?
オイルやバーム・ミルクを使用する際には意識して取り入れてみてください!生き生きとした、トラブルのない肌に近づきましょう!