肌の質感のコントロールや、血色を整えることができる化粧下地。
大切なのはわかるけど、一体どうやって選べばいいの?と、選び方がわからない方へ向けて、今回の記事では、肌タイプや理想の質感に合わせた化粧下地の選び方について、紹介していきます。化粧下地を変えるだけで、印象も変わっていくはずですよ。
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メイクアップアーティストTOKIKO |
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1997年に渡英し、ロンドンを拠点にMake-up artistとして活動。2001年よりMake-up Creatorとして東京をベースに活動を開始。2009年からは株式会社MONDO artist-group所属。東京を拠点にセルフメイクスクール主催、ファッションショー、モード誌、広告撮影、教育等を手がける。 |
目次
化粧下地は「ファンデーションベース」とも言われます。ファンデーション持ちをよくするだけでなく、質感のコントロールにも使えるし、血色をよく見せるためにも使うことができます。
化粧下地7つの役割 |
1 ファンデーションの密着性を高め美しい仕上がりを長時間キープする |
2 毛穴や肌理を目立たなく整えて厚塗り感を抑える |
3 外界の埃や紫外線、乾燥から肌を守る |
4 毛穴の余分な油分を抑えて汗、皮脂からの化粧崩れを防ぐ |
5 肌の色むらを調節し色の効果で肌色を均一に見せる |
6 メイクを落としやすくし、肌を傷めるのを防ぐ |
7 艶肌やマット肌など肌の質感を作る |
化粧下地を使うことで、肌を紫外線から守り、肌色もワントーンアップしクリアな肌へ、そして質感をコントロールし艶肌やマット肌など、なりたい肌を演出することができますよ。
化粧下地は、紫外線防止効果と肌色のコントロール、質感も演出できる多機能タイプが主流です。色付きのピンク系の下地が多く、くすみが取れて、肌を健康的でフレッシュにみせてくれます。
まずは化粧下地の種類をご紹介します。使い分けをして理想の肌を手に入れましょう!
ここでは次の2つの種類をご紹介いたします。
乳液状で肌馴染みが良く、顔全体の色むらを見せない扱いやすいタイプです。
カバー力がありコントロール力が高いためよく馴染ませて使用しましょう。
部分的な色補正効果にも適しています。チューブ入り、パレットに多色入ったもの、スティック状などいろいろな種類があります。
きれいな肌作りの近道は化粧下地を上手に取り入れることです。紫外線から肌を守る役割のものや、肌の悩みに特化した下地、肌の質感をプラスすることでイメージした理想の女性像を作れるのも下地の特徴です。
分類 | 効果 |
日焼け止め化粧下地 | UV効果で日焼け防止 |
皮脂抑制効果下地 | オイリー肌、Tゾーンに使用しテカリを防止 |
毛穴用部分下地 | 肌の凹凸を補正する部分用毛穴消しなど |
コントロールカラー | 様々な肌トラブルを色効果で解消する |
ツヤ感、シアー感、マットなど | 質感のコントロール |
肌の老化の原因の1つが、紫外線と言われています。「光老化」という言葉もあるように、しわやシミを作り出します。
化粧下地で、紫外線の予防をして今の肌状態をキープできるように心がけましょう。そのためには、状況や環境に合わせて選ぶことが必要になります。
正しいSPF(Sun Protection Factor)やPA(Protection Grade of UVA)の目安の数値を知りましょう。
肌の赤くなる日焼けをする原因の紫外線Bの防止効果を示します。
表:SPFの目安
数値 | 効果的な場面 |
SPF15~20 | 通勤、買い物、洗濯などの短時間の外出 |
SPF20~30 | 外出時に効果的 |
SPF30~50+ | 紫外線の強い日、長時間の外出、海や山のアウトドアの時 |
肌の黒くなる日焼けをする原因の紫外線Aの防止効果を示します。
表:PAの目安
数値 | 特徴 |
PA+ | 防御効果がある |
PA++ | 防御効果がかなりある |
PA+++ | 防御効果が非常に高い |
PA++++ | 防御効果が極めて高い |
日焼け止めは肌に負担が大きいため、状況に応じて使い分ける必要がありますよ!
日焼け止めは汗や、摩擦などで落ちたりするため、こまめな塗り直しも必要になります。その場合は、化粧の上から付けられる噴射式の日焼け止めスプレーやパウダータイプのものもあるので場合に応じて使い分けしましょう。
また、肌の負担も大きいためしっかりとクレンジングをすることも大切です。日焼け止めの詳しい選び方や、食事を通じて紫外線対策に取り組む方法などはこちらもご参照ください。
メイクのお悩みで結構多いのが、化粧がテカりやすく崩れやすいということ。そういう方は、皮脂抑制効果の高い化粧下地を選んでみてはいかがでしょうか?
皮脂崩れの原因は主に2つあります。
皮脂分泌の多いオイリー肌の方、または、乾燥からくるTゾーンの頬のテカリです。
肌タイプに合わせたスキンケアをするのはもちろんの事ですが、タイプや部分によって皮脂抑制効果の高い化粧下地でテカリやよれの軽減ができます。
下地の中には、毛穴の凹凸に埋め込む役割をするものもあります。
皮脂の出やすいTゾーンの炎症で起きる毛穴の開き、加齢のために毛穴がたるんで縦に広がる帯状毛穴には、毛穴をスムーズに見せるための毛穴用部分下地を使います。
どのブランドでも取り扱いがあり、「毛穴にアプローチ」「テカリ防止」というフレーズで売られていることが多いです。
ただし、毛穴を潰しているので、クレンジングがとても大切になってきます。メイクは外に人前へ出る時のマナーですが、家に帰ったら余分なものを顔の上に載せている状態になります。家に帰ったら、きちんとクレンジングをしてお肌のケアをしてあげて下さいね。
「ダブル洗顔ってやってもいいの?」などクレンジングの正しいやり方はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
肌色のトラブルに特化した色付きの下地がコントロールカラーです。
グリーンやピンク、イエローやオレンジといったカラーバリエーションが多く、色を重ねることで顔の色むらを調整し、肌色を補正することができます。
クマやくすみ、赤みなどの肌トラブルに合わせた色を使い、自然に肌の色むらをカバーし、肌を健康的に見せてくれます。
色 | 使い方 | 使用する位置 |
グリーン | 赤み(頬、ニキビなど)を調整します。赤みの強い部分にのみ、少量ずつ指で加減しながら馴染ませます。顔全体に使うと顔が青白く顔色が悪くなるので注意しましょう | 頬や額、顎先 |
ブルー | 顔全体の赤み、黄くすみを抑え、透明感を与えます。色白の人が使うと血色が悪く見えるので注意しましょう | 頬や額、顎先 |
ピンク | 顔色のさえない時、肌を血色良く見せます。ワントーン明るい肌に仕上げます。顔色が暗めの人は顔色が浮きやすいので注意が必要です | 全体 |
パープル | 血色と透明感をあたえます。色白で顔色が悪く見える人向きです | 全体 |
オレンジ | 青クマ、濃い茶クマのカバーに効果的。厚くのせずしっかりと伸ばし、指の腹で軽くとんとんと馴染ませます | クマ、特に青クマ、茶クマの部分とくすみのある部分 |
イエロー | 色むらを補正し肌色を均一に見せ、くすみを飛ばします。肌に自然に馴染みます。健康的に見せ肌を明るくします | くすみのある部分 |
ここでは、肌質のコントロールという点を詳しく説明していきます。
光沢のないマット肌・セミマット肌と呼ばれるベースメイクをされている方が多く見受けられますが、最近は、トレンドでもあるツヤ肌・光沢やシアー感のある肌・透明感のある肌作りなどが主流になってきました。
このトレンドを取り入れるためには、ファンデーションだけでなく、化粧下地の選び方も重要になってきます。
パールの入った下地を選ぶことで、光を反射させて肌表面をきれいに見せられるので、肌のツヤ感を増す、透明感を引き出すなどの演出が可能になってきます。
もちろん、ファンデーションでもそういった演出は可能ですが、化粧下地でしっかりとツヤや透明感を出した方が、厚塗りにならず、綺麗で自然な肌に見えるのでオススメです。
色々な種類があるので、自分が演出したい肌、なりたい肌は何なのかイメージに沿ったものを選ぶようにすると良いですね。
また、コントロールカラー以外の色の選び方をまとめた記事もございます。こちらもご参照ください。
なりたい肌のイメージがあったとしても、TPOはきちんとしたいものです。
例えば、面接にテカり・ツヤツヤな肌で行ったとしたらどうでしょう?ちょっと違いますよね?大事な面接の場ですから、しっかり光沢を抑えたマット肌、もしくはちょっと抑えたセミマット肌に仕上げ、厚塗りに見えないメイクがベストですよね。
また、照明の落ち着いた店内でのディナーであれば、少しシアー感のある、光沢の強い下地を取り入れてあげると良いでしょう。肌を光らせてリッチに見せるということができると思いますよ。
用語 | 意味 |
マット | 光沢のない仕上がり。かっちりとしたイメージを与えます |
シアー | 薄く透き通ったイメージで透明感を出します |
シマー・パール | キラキラ輝きのある肌を演出。真珠や虹のような輝きで華やかに |
グロス | 艶、光沢がある。フレッシュな健康的な肌の演出をします |
メタリック | 金属的な光沢。人工的なイメージ |
ブロンズ | 赤みが買った茶色。日焼け肌を作ります |
肌全体の質感のコントロール、肌色のトーンを上げる場合や、日焼け止めを塗る場合は、適量を薄く均一にのばすことがポイントになります。
また、部分用下地はのせすぎないようにしましょう。トラブル部分に効果を出そうと欲張っても、載せた部分が浮いてしまう原因になってしまいます、しっかりと馴染ませましょう。
化粧下地の後にファンデーションやコンシーラーでのカバーもあるので心配はいりません。
こちらの実例のように、化粧下地を用いることで、質感のコントロールや血色をよく見せることができます。ですが、ファンデーションを用いて、肌の質感を演出することはあっても、下地で演出をされている人はまだまだ少ないと思います。
ぜひ今回の記事を通して、試してみてくださいね!化粧下地を変えるだけで、メイクの演出の幅を広げることができますから、周りとの差もきっと実感していただけると思いますよ!